メインコンテンツへ移動

CLF対策

AWS料金の基本をCloud Practitioner向けに整理する

従量課金、無料枠、リザーブド、Savings Plansなど、AWS料金の基本を初学者向けに整理します。

公開日2026-06-07/更新日2026-08-02/著者AWS Cert Roadmap Lab
#CLF-C02#料金#AWS Budgets#Cost Explorer

AWS学習で避けて通れないのが料金です。Cloud Practitionerでは、技術サービスだけでなく、請求、料金、サポート、コスト管理も問われます。

結論

AWS料金の基本は「使った分だけ払う」です。ただし、サービスごとに課金ポイントが違います。保存容量、リクエスト数、転送量、実行時間など、何に対して課金されるかを理解する必要があります。

料金を暗記する必要はありません。重要なのは「そのサービスは何をメーターにして数えているか」を言えるようになることです。

課金メーターの型を覚える

AWSの課金は、大きく次の型に分かれます。どのサービスがどの型かを整理しておくと、初見のサービスでも見積もりの当たりがつきます。

課金の型数えているもの代表的なサービス
保存量GB × 保存した月数Amazon S3、Amazon EBS、CloudWatch Logs のストレージ
リクエスト数API呼び出しの回数Amazon S3、AWS Lambda、Amazon API Gateway
実行時間メモリ量 × 実行秒数AWS Lambda、AWS Fargate
稼働時間リソースが存在した時間Amazon EC2、Amazon RDS、NAT Gateway、ALB
データ転送量外向きに出ていったGB数Amazon CloudFront、リージョン間転送

このうち「稼働時間」型は、アクセスがゼロでも課金が続くのが特徴です。個人開発で想定外の請求が出る原因は、ほぼこの型のリソースを作ったまま忘れることです。

料金の計算例

以下は Asia Pacific (Tokyo) リージョン、オンデマンド、2026年8月時点の公開単価に基づく計算例です。単価は改定されるため、実際の見積もりでは必ずAWS公式の料金ページとAWS Pricing Calculatorで最新値を確認してください。無料利用枠は適用前の金額として計算しています。

Amazon S3 に 10 GB 置いて配信する場合

前提: S3 標準ストレージに 10 GB を1か月保存、GETリクエスト 100,000 回、PUTリクエスト 5,000 回。

項目単価使用量金額
ストレージ0.025 USD / GB・月10 GB0.250 USD
GET等リクエスト0.0037 USD / 10,000 件100,000 件0.037 USD
PUT等リクエスト0.0047 USD / 1,000 件5,000 件0.0235 USD
合計約 0.31 USD

リクエスト単価は PUT 系のほうが GET 系より一桁高い点に注意します。大量の小さいファイルを毎回アップロードし直す運用は、保存量より先にリクエスト料金で効いてきます。

AWS Lambda を月100万回実行する場合

前提: x86 アーキテクチャ、メモリ 128 MB、平均実行時間 200 ミリ秒、月間 1,000,000 回実行。

まず GB 秒を求めます。

GB秒 = 実行回数 × 実行秒数 × (メモリMB ÷ 1024)
     = 1,000,000 × 0.2 × (128 ÷ 1024)
     = 25,000 GB秒
項目単価使用量金額
コンピューティング0.0000166667 USD / GB秒25,000 GB秒約 0.42 USD
リクエスト0.20 USD / 100万件1,000,000 件0.20 USD
合計約 0.62 USD

Lambdaには月間 100万リクエストと 400,000 GB秒の無料利用枠があり、この条件はどちらも枠内に収まります。ただし無料利用枠の適用条件はアカウントの作成時期や契約プランによって異なるため、自分のアカウントで有効かどうかはAWS公式の無料利用枠ページで確認してください。

なお、同じ関数を arm64(Graviton)で動かすと GB秒単価は 0.0000133334 USD になります。移植コストが低いワークロードでは、アーキテクチャの選択だけでコンピューティング料金が下がります。

メモリを増やすと安くなることがある

「メモリを増やす=高くなる」と考えがちですが、Lambdaはメモリ量に比例してCPU性能も上がります。メモリを2倍にして実行時間が半分になれば、GB秒は変わりません。CPUバウンドな処理では、メモリを増やしたほうが総額が下がる場合があります。これは請求書ではなく計算式から導ける関係です。

固定費が出やすいサービス

初学者が注意すべき代表例は、NAT Gateway、RDS、ALB、EC2、OpenSearch などです。これらは「稼働時間」型なので、使っていなくても課金が続きます。

たとえば NAT Gateway は、東京リージョン・2026年8月時点で 1 時間あたり 0.062 USD、加えて処理したデータ 1 GB あたり 0.062 USD が課金されます。1 か月を 730 時間とすると、時間課金だけで 730 × 0.062 = 約 45 USD になります。学習のために作って消し忘れると、これが毎月積み上がります。

このプロジェクトでは、MVPで EC2、RDS、NAT Gateway、ALB を使わず、S3、CloudFront、API Gateway、Lambda、DynamoDB を中心にしています。稼働時間型を持たない構成を選ぶこと自体が、コスト設計の判断です。

無料枠

AWSには無料利用枠があります。ただし、無料枠は永続的にすべて無料という意味ではありません。期間、使用量、対象サービスに条件があります。枠の内容や適用条件は改定されるため、学習中に見た記事の数値をそのまま信じるのは危険です。

個人開発では、無料枠に頼り切るよりも、AWS Budgets を設定して想定外の課金に気づける状態を作ることが重要です。

割引の仕組み

長期利用を前提にした割引には、次のものがあります。Cloud Practitionerでは名前と役割の対応が問われます。

仕組み対象特徴
Savings PlansEC2、Fargate、Lambda など1年または3年で「1時間あたりの利用額」をコミットする
Reserved InstancesEC2、RDS などインスタンスタイプ等を指定して1年または3年コミットする
Spot InstancesEC2中断を許容する代わりに大幅に安く使う

いずれも「あらかじめ使う量を約束する代わりに単価を下げる」という構造です。逆に言えば、使う量が読めない学習段階でコミットする理由はありません。

コスト管理で使うサービス

AWS Budgets は予算アラート、Cost Explorer はサービス別の費用分析に使います。Budgets は「超えたら気づく」、Cost Explorer は「何に使ったかを調べる」という役割です。役割が違うので、どちらか一方では不十分です。

試験で問われるポイント

  • AWSは従量課金が基本
  • 無料枠には期間・使用量・対象サービスの条件がある
  • Budgetsは予算管理、Cost Explorerはコスト分析に使う
  • Savings PlansやReserved Instancesは長期利用の割引に関係する
  • Spot Instancesは中断を許容できるワークロード向け

実務での注意点

料金は設計の後回しにしてはいけません。どのサービスを使うかを決めた時点で、課金ポイントも同時に確認します。

個人開発では、まず Budgets を設定し、稼働時間型のサービスを避け、静的配信とサーバーレスを優先するのが安全です。検証用に作ったリソースは、作った日のうちに削除まで済ませる運用にしておくと事故が減ります。

関連用語

次に読む記事

次に学ぶ内容

ブログ記事だけでなく、AWS用語集・サービス比較・模擬問題・構成図を組み合わせると、資格知識と実装イメージをつなげて理解できます。